2011 JULY
7/31 (SUN)
もう 7 月が終わってしまった。早いなあ。別居を始めたのが 2 月。やっと落ち着き始めたと思ったら震災。そのバタバタもなんとか過ぎた頃には骨折。そこから心も折れ始め、なんとか少しずつ気力を取り戻せたと感じたら、3 か月も過ぎていた。世間の人々はこの間もどんどん前に進んでいることだろう。自分は何をやっているのやら。そんな気持ちで、前に使っていたガラケーの送受信メールをすべて削除する。いつまでも保存しておいたところでなんになろう。
このところは曇り空ばかりで、蝉時雨も例年より聞こえが悪い。時雨というよりも霧雨のようだ。このまま曇天が続くようだと、考え方も暗くなってしまう。通勤したり、用事があると猛暑酷暑はイヤだなと感じたけれど、やはり夏は夏らしく、キツいくらいの日差しと入道雲、そして青い空がよく似合う。早く晴れてくれないかな。
7/30 (SAT)
早起きをして、所沢へ。先日の日記で書いたとおり、女房が一人では次に住む家を見つけきれないということで、自分が動くことにしたためだ。訪ねた先は、所帯を持って最初に住んだマンションの管理をしてくれていたおばちゃんで、普段は不動産屋に勤めている。今回、こうした事態になったことを告げると大層驚いていたが、色々と親身になってくれるため有り難い。
だが、やはり出来るだけ安い賃料で、それなりの家というのはなかなか難しい。所沢の場合、6万円台で 2DK といった部屋が普通に存在するが、だいたい 40 平米まで。親子 3 人で暮らせないことはないが、ちょっとどうだろう…と思うものがある。これが 7 万円台になると選択肢にやや幅があり、8 万円出せば 2LDK ~ 3DK で 50 平米~と、かなり満足できる部屋が見つかる。
さすがに今日だけでは候補が見つからず、賃料のベースをあげて再検索をお願いすることにした。子供たちの学区の関係で部屋としては悪くないが、場所がよくないといったこともあったりして惜しいところまでは来ているのだが…。もっとも最悪、学区は越境の交渉をするなり、なんとかしてもらうしかない。個人的には、出来るだけ今の学区を変わらず、金銭的にも無理がなく、かつ日々暮らしていく中でストレスが溜まらないような部屋を探してやりたいのだが…。
部屋探しに一区切りつけ、気になっていた車とバイクを見てみると案の定エンジンのかかりが悪い。車はともかく、バイクは単気筒のスーパーカブだから、結構難儀であった。だが、セルスタートでなく、キックでのエンジン始動であるため、アクセルを開けながら何度かチャレンジしているうちに息を吹き返してくれた。10 分ほどアイドリングするうちにオイルも回り、回転も安定する。だが、バッテリがほぼ死んでいるため、電圧が足らずブレーキランプが着かない。ウィンカーも点灯はするものの、カッチカッチとクリック音がするはずなのに、ギーだのジジジジジだのとおかしな音になる。フロント ブレーキのワイヤも錆が来ているのか、ひどく硬くなっているし、よくみれば砂埃がひどく、サスペンションなどは錆がひどい。ほとんど廃車のような状態だ。
結婚前から乗っているバイクである。それが数ヶ月放置していたら、ボロボロだ。修飾ではなく、本当に。サイドミラーにはバイクの引き取り業者が「回収します!」といった張り紙まで巻き付けている。よく道ばたで放置され、野ざらしになっているバイクがあるが、あんな感じだ。見ていたら、なんだかとても悲しくなり、せめてとホコリを払ってやったが、固着した汚れは簡単には落ちない。まるで今の自分のようだ。
保安灯はまともに使えず、タイヤの空気も抜け、バッテリは役立たず。至る所に錆が浮き、可動部分のグリスは落ちている。住まない家が朽ちていくのと同じく、バイクも乗らねばイカれていく。だが、まだ死んでいない。エンジンは回ったではないか。
走り続けていても、それだけでは同じように故障するというものだ。大事なことは日々のメンテナンス。そうすれば壊れにくくなるし、不調にも気付きやすくなる。
例え、壊れたって構わない。交換すべきものを交換し、磨くべきところを磨けばきっと生き返る。
もう少しだけ待ってくれ。必ず、元気にしてみせるから。そしたら、また一緒に走ろう。
7/29 (FRI)
1 日中仕事。この仕事、もう 1 年越しのもので、ハッキリ言って赤字も赤字。何度もデザイン案を出し、そのたびに返信が遅延し、こちらもその間に別の仕事が入っては遅延し…という一番良くないパターン。だが、いい加減ケリを付けねばということで、強引に完成に持ち込むべく働いたのであった。その甲斐あって、98% は完成。残りは微妙な戻しだけといった手応え。元々赤字のギャラだが、これだけ納期が遅れればほとんど雀の涙だろうな。
そんなことをしていたものだから、昨日は散々食事がどうのと言っていたクセに、夕飯も食べる時間がなく、久々に 23:00 にカップ麺、それも 2 個一気食いというよろしくないことをやってしまった。昨日のさわやかな絵ヅラとなんという差だろうか。退院以来、精神的なこともあって食欲は落ち、肉類すらあまり食べずにいたおかげでだいぶ痩せたというのに。
ま…、一日くらい堕落した日があっても、どうということはないだろう。
最近は金曜日がイヤでしょうがない。平日はなんとなく忘れているものを思い出してしまうからだろう。今日は一際侘びしい食事だったから、なおのことという感じ。
土日は特にイヤだ。家の中にいても面白くもなんともないし、街に出たら出たで、周りは楽しそうな人々ばかりだ。皆、家族や恋人と休日を満喫しているように見えてしまうし、俯いて歩いているのが自分だけのように感じてしまい、大勢の中にいるせいで、却って一人であることを意識させられる。怪我をしたことによって時間が出来た。怪我をしていない時は仕事仕事で土日もなく、子供たちや友人と遊ぶこともままらなかった。暇が出来たら、その時は一人とは皮肉なものだ。
だが、そうしたこともすべて受け入れて耐えねばなるまい。大切なものとはなんなのか。それに気付くのが遅かった自分への罰なのだろう。罰とは辛いものだ。いつか慢心という名の罪を償えた時がきたなら、その時はもう二度と同じ過ちを繰り返したくはない。こんな思いはもうごめんだ。
今、大切な人と共にいる人たちへ。
今日喧嘩をしたとして、明日その人が交通事故で帰らぬ人にならない補償はない。そして事故なら、まだ諦めもつくが、自分の不甲斐なさがその結果であるなら、いくら悔やんでも悔やみきれるものではない。一生、業として背負うことになる後悔などないほうが良いに決まっている。
今、大切な人がいることに感謝し、毎日をにこやかに過ごして欲しい。Kashi.のように、気付いた時には大切な存在が遠くにいってしまうことは確かにあるのだ。今からでもやり直すことは出来ないかと都合の良いことを考えても、現実はそう甘くない。
伝えたい気持ちがあるならば、その声が届く距離にあるうちに伝えてほしい。声にすることもできず、夢の中でしか出会えぬ悲しさを抱えてしまわぬうちに。
7/28 (THU)
毎日食事の仕度をしているが、母親の病院に行く日は非常に忙しなく、簡単な内容になってしまうことも多い。温め直せば済むようなものを前日に多めに作っておくなどして対応するが、それでもバタバタするし、食後の皿洗いも煩わしい時がある。とはいえ、すっかり慣れてしまったので、あとは他の部分での効率化を図れば良いだけかもしれないが…。
Kashi. は料理をしてくれる女性が好きだ。残念なことに女房はあまり料理が好きでなく、不満な部分も多々あったが、それでも「今日はカレーだよ」と言ってくれたり、それを手伝って皿を並べたりするのはイヤではなかった。出来たての枝豆をつまみ食いしたりするのも、夜子供たちが寝静まってから一緒に酒を呑むとき、二人でアレコレと用意するのも楽しかった。
昔お付き合いしていた女の子が料理を作ってくれたことがある。二人で合う時は外食が多かったから、ほとんど手料理を味わえることは無かったのだが、その数少ない機会、彼女がパタパタと動きながら「ちょっと待っててね」などと言われるのは幸せだった。さらに「ヤラレタ!」と思ったのは、本人は意識してなかっただろうが、準備をしながら鼻歌を歌っていたことである。これはグイグイきた。言われるままに大人しく待っていたが、その後ろ姿はとても楽しそうであり、見ているこちらも嬉しかったものだ。
料理は良い。テキパキ動かなければいけないので、段取りというものを覚えるようになるし、自分好みのものを食べられる。それよりも、そういった現実的なことではなく、愛し合う者同士であれば、作る側、食べる側に幸せを感じられるのが良い。ロマンチストと言われるかもしれないが、作る側は「美味しく食べてもらえるように」と考え、食べる側は、その愛情が外食では決して味わえない一味となって、「美味しく出来たね」と満足できる。そうやって過ごしていくうちに、いつか二人の味が出来るようになるのだろう。
贅を尽くしたようなものである必要はまるで無い。ただ、愛する人と笑顔が零れてしまうような食卓が欲しい。いい歳をして何を夢見がちな…と思われるかもしれないが、もし次に一緒に暮らすパートナーが出来ることがあれば、食事への価値観が同じ女性と毎日を暮らしたい。食べることは生きること。手作りの料理で共に食卓を囲むということは、お互いを支え合いながら生きることでもあろう。
「いただきます」
「ごちそうさま」
なんて、素敵な言葉だろう。微笑み合いながら、それが言えたら最高だ。食べること、呑むことが大好きな Kashi.のささやかな願いなのである。
7/27 (WED)
Windows Phone 7.5 搭載スマートフォン「Windows Phone IS12T」が発表された。WP 7.5 通称「Mango」を搭載したスマホはこれが最初の機種とのことで、それが日本市場で発表になったのは喜ばしい。
GIZMODO などでは以前からインプレッションが掲載されており、動画レビューなどを見る限りでは、かなり快適に動いているように感じた。発表された動画や、各社のレビューを読んでもそれは変わらないようで、日本語搭載になることで動作が重たくなるといった懸念は払拭された印象だ。まだ情報が少なすぎるため、性急な評価はできないが、さすがに後発だけあってそこそこのものを出してきた…という感じだろうか。
しかし性能はともかくとして、「なんと残念な…」と感じたのは MS のブランディングの下手くそさであった。ここは意地でも「Windows Phone 7.5」という単語を周知させるべきであって、「IS12T」などという製品番号などではなく、「7 Phone on REGZA」のような、Windows を感じさせず、かつ、各メーカーの固有ブランドを付記できるようなブランディング ガイドを作ってリードすべきだったように思う。iPhone が売れ、愛着を持たれるのはシンプルで力強いネーミングの良さもある。スマートフォンにおいては、B2B カットではなく、コンシューマ目線での戦略を立てるのが得策だろう。MS 社員ですら、iPhone を堂々と使っているご時世、ユーザー個人個人に愛着を持ってもらうというのは重要なんじゃなかろうか。
左 : メイリオ妄想 / 右 : オリジナル
米国本社は他国市場のことを考えないという MS らしさを一番感じたのが日本語フォントであった。海外市場における Windows Phone 7 が Segoe フォントでスタイリッシュであるのに対し、IS12T のインターフェイスのダサいこと!まさか今時 MS ゴシック (プロポーショナルですらない) を採用するとは思わなかった。ギョッとする酷さであり、これでまた iPhone ユーザーが嘲笑するのかと思うと、Windows ユーザーとしては悔しくもある。「見た目より性能」ではなく、「見た目も性能も」で勝負していかないことが謎だ。メトロ レイアウトの UI はシンプルでクールだし、ハブによるユーザービリティも悪くはないのに、何故ああなってしまうのか…。日本向け UI のディレクターは大いに反省するべきだ。せめてメイリオであったなら、まったく端末の印象は違っていただろう。
待ち受け状態の日付表示もひどすぎる。すべて同じ大きさのフォントで「七月二十七日水曜日」などと表示されているのを見て「おかしい」と感じなかったのだろうか。縦書き横書きが混在しているのもよろしくない。実際にメイリオだったらどうなるだろうと作ってみたのが右画像。横書きに統一し、ライン 1 本入れただけだが、随分印象が違う。
また、Windows Phone 7 では、Windows Mobile での失敗を踏まえ、実装ハードウェアに対して CPU スペックや解像度など、最低動作要件が決まっているが、スペック=快適には繋がらない。物理キーボードと違い、タッチパネルでの操作が重要なスマホでは、パネルの精度が何よりも重要であると思う。
少々古い記事にはなるが、こちらからスマホのタッチパネル精度を検証した記事を読むことができる。これを見ると iPhone が非常に高い精度で設計されていることがよくわかる。指に吸い付く「ヌルヌル」と呼ばれる感覚は OS のアーキテクチャだけでなく、ハードウェアにも現われているのだ。こうした面でもレギュレーションがあれば、なお良かった。
スマホ普及の一助となるのがアプリであるのは明白だが、Windows Phone 7 の場合、.net と Silverlight での開発となる。触ったことがある人はご存じだろうが、あれは実に開発しづらい。MS サイト以外ではほとんど見かけることがなく、MS サイトですら微妙な扱いになっているのが Silverlight だ。一般ユーザーがアプリ開発しようと思ったら、Visual Studio に Expression に…と投資が大きすぎる。例えば HTML 5 ベースで API のコントロールができれば状況は変わってくるだろうが、このあたりは可能なのだろうか?
既に市場は iPhone と Android で埋め尽くされている。ここから巻き返しを図るのは至難の業だろう。個人的には高いポテンシャルを秘めていると感じる Windows Phone 7.5 だが、このままでは大企業が社員向けに配布するだけで終わってしまいそうだ。淡々とした UI はいかにもビジネス ライクで良いと思うのだが、IS12T のゼリービーンズのようなカラーリングはビジネス シーンにはマッチしない。今後、各メーカーが参入してくると思うが、このアンバランスさを払拭し、よりクールなデバイスが登場するよう祈るばかりだ。
7/26 (TUE)
事故から 2 か月、警察に預かってもらっていた自転車を引き取りに行く。実況見分の書類に不備があり、引き渡しまでに時間がかかったが、その後なんとか保管車両も発見され、一安心したが、改めて見てみるとひどい有様であった。
安傘はガッチリと前輪のスポークに食い込み、ビクともしない。左上方から入って、右側の中心部にフック状に曲がり込んでいる。はて、前輪は前向きに回転していた。左から食い込んだものが前方に移動するのはわかるが、どうして右側のフロントフォークに到達することになるのだろうか…と、書きながらすぐわかった。上方からではなく、左フロントフォークの後ろから、前輪の中心付近に傘の先端部が突き刺さっただけだ。それが勢いで傘の中心付近まで引き込まれていき、こうした形状に留置されたのだろう。そう考えるとすごい力がかかったのだな。そりゃ体も空を飛ぶ。
応対してくれた警察官も「いやあ、これはすごいな…」と半分呆れ半分感心。こちらはまだ手が効かないので、外してもらうのを手伝ってくれたがまったく動かない。途中通りがかった別の警察官も加わって二人ががりでやるも同様。Kashi.が「何か切断できるような工具があればいいんですけど」というと「おう、そうだ」と強制的に家宅捜索する時、ドアチェーンを切断するペンチの化け物のような道具を持ってきてバチンバチンと傘の骨を切断してくれ、ようやくに外すことができた。
恐ろしいことに、これほどの状態なのに、自転車のスポークはほとんど歪んでいない。並の自転車ならたちまち歪んでいたと思うのだが、えらく頑丈だ。車体のほうも大きなキズはなく、別パーツのヘッドライトが割れて使えなくなったくらいだ。あとは 2 か月間放置されていたために、両輪とも空気が抜けていたくらい。帰り道の途中にある自転車屋でライトを買うついでに空気を入れると快適になった。
乗ってみてわかったが、運転はまだ厳しそうだ。このテの自転車は腕がまっすぐの状態にならないと実に運転しづらい。こんなケガにはなったものの、それまでは快適な足だった自転車。すっかり歩くクセがついたし、今後は乗る機会が減ってしまうかもしれないけれど、腕が治ったらピカピカに磨いて、時には少し遠出をしてみよう。その時はゆっくりのんびり、安全運転で。
7/25 (MON)
退院後 3 回目の診察。ドクターとレントゲンを眺めると、前回よりも明らかに骨が出来てきており嬉しい。だが、中心部の一番大きな損傷はまだ黒く影があり、さすがにここは時間がかかりそうとのこと。ドクターは前の日記にも書いたように美人女医さんであり、「曲げ伸ばしはどんな感じ?」と聞かれたので、こんなもんです、とリハビリの成果を見せると「おー!もうそんなに伸びるの?あ、もうすぐ肩にもつきそうだねえ。早い早い」と感心される。となれば約束通り、「じゃ、そろそろ飲み OK ですか」と言えば、「それは、まだだめ♪」と微笑まれる。飲みに行くとか、からかわれているんだろうか。
その後はリハビリ。前回の記録では伸ばしが 20 度、曲げが 120 度であったが、今回はそれぞれ 10 度、135 度であった。これもかなり良い記録らしく、「ものすごく順調」と理学療養士に誉められる。日々の成果はキッチリ出ているようで嬉しい。が、先はまだ長い。健常者で 0 度、145 度であるから、このままのペースでいけばあと 1 か月といったところだろうか。正直もどかしくてたまらないし、人様よりも色々と遅れていくような気がする。だが、靱帯が傷ついているということも、この場合は致し方がないとか。焦りをやる気に変えて、また明日から頑張ろう。
病院の後は駅前のビッグカメラにて、INFOBAR A01 用の保護フィルムとケースを購入する。タッチパネルのスマホにおいて、保護フィルムは必須であろう。iPad でも利用しているが、結構な確率で傷がつく。ケースについてはソフトケースにするかシェルカバーにするか非常に悩んだ。というよりも、出来るならば裸族として使いたいくらいだ。しかし、電池カバーの構造や、スマホの耐久性を考えたら買わざるを得ない。ならば出来るだけ INFOBAR のデザインを阻害しないものがよろしい。
au 純正のカバーは、それはそれでアリである。例えば Kashi.の CHOCOMINT カラーにブラウンなどは美味しそうであろう。しかし、操作キー全体を覆ってしまう形がどうにも馴染まなかった。またどうやらシリコン系素材のようだが、Kashi. はズボンのポケットに入れて持ち歩くタイプなので、シリコンだと滑りが悪そうである。また微細なホコリも呼びそうだ。そんな不安もあり、これはボツ。となると社外品だ。
候補にしたのは、2 つ。「eggshell INFOBAR A01 クリア」と「ELECOM au iida INFOBAR A01 ソフトケース (保護フィルム付) PA-SHA01UCシリーズ」というもの。いずれもクリア系であり、本体のオリジナル カラーが映えるものを選択した。
前者はまだ未発売なのだが、厚さ 0.9mm というのは魅力的である。薄さ=軽さだし、それだけオリジナルのフォルムを崩さずに済む。が、それはつまりガードとしてはまったく役に立たないということではなかろうか…。せいぜいキズがつかない程度のものだろう。また素材がポリカーボネートというのも気になるところで、これは冬場に静電気が溜まりそうな気がしなくもない。もちろん杞憂だとは思うが、精密機器に静電気はいかにもよろしくなさそうだ。そうなればシリコン系と同じくホコリを呼びそうな気がする…。てなわけで、この製品も除外なのだが、薄さを活かしてこのカバーを付けた状態でさらに別のカバーをつければ内装甲として使えるかもしれない。
後者の ELECOM 製カバーは、プラ系のハードケースでもシリコン系のラバーケースでもない。衝撃吸収性に優れつつも、それなりの透明感を維持し、ある程度の堅さと柔軟性を持つポリウレタン製である。ゴム製品の一種であるから手に持った時には、まあまあ滑りにくく、ポケットの中でひっかからない。Kashi. のニーズを満たす素材としてはこれが最適であった。厚みはそこそこあるのだが、ボタン部分を覆うことはないので使い勝手は大きく変わらない。ということで、ELECOM を購入決定 (ちなみに、パッと見そっくりなシェルカバー タイプがあるので購入時には間違えないようにご注意を)。これには液晶保護フィルムも付属するのだが、保護フィルムは別途専用製品を買い求めたかった。
実際のところフィルムもまた難物だ。グレアの光沢系にすれば発色は鮮やかになるが、指がひっかかりやすくなるし、ノングレア系にすればフラットな画質になるが、表面はサラサラで使いやすく写り込みも防げる。どちらもメリット/デメリットがあるのだが、フィルムばかりは実際に使ってみないとわからない。ならばいいさ、と予備も兼ねて両方のタイプのものを買った。最初はグレア系を付けて使用感を試してみることにしよう。どちらも防指紋処理であり、製品としてはこのシリーズである。
最近のフィルムは非常に貼りやすく出来ていて、専用製品であるから面合わせも簡単であった。1mm ほど縦が足りないのだがほとんど気にならない。貼るときにはホコリが入らないように注意する必要がある。また、前もって画面を綺麗にしておかねばならないが、この時ティッシュを使うと意外にチリが出る。メガネ拭きなどのクロスとクリーナーが良いが、消毒用エタノールをティッシュに含ませても良い。こうすればチリも出にくい。出来ればこの類の作業をする時はバスルームなどで一回熱いシャワーを出し、湿気のある室内でやるとホコリが立たなくてやりやすい。Kashi. はこのテのプロセスが面倒な年頃なので自室で済ませてしまったが、上手く貼れた。
ソフトカバーはたやすく装着でき、装着感も悪くない。付けてみると、それなりの厚さで強度が確保できているようなので、ストラップ ホールを開けた。細いクギや、太めのクリップを伸ばしたものなどをライターで熱し、冷めないうちにプスリプスリとやるだけである (赤い炎で熱するとススが付く場合もあるのでご注意を)。あとは微妙にはみ出たバリをカッターで削って終わりだ。
ストラップ ホールについてはバッテリ コネクタから推察するに、本体に直に穴開けすることも可能そうだ。強度的にはそちらのほうが遥かに強そうだが、あいにくと分解用の特殊ドライバーが今手元にない。もし実際にやる機会があればまたご紹介したい (もちろん補償対象外になるので、あまりやりたくはないが好奇心が抑えられるかどうか…)。
7/24 (SUN)
地デジ完全移行 (除被災地)。ここ数日のチューナーに対する駆け込み需要はものすごく、昨日の時点では軒並み売り切れ、高額チューナーなどだけが残っているような状態だそうな。駆け込み需要の予想出来ていたことではあるが、チューナーが売り切れということは、新型新機能高画質である薄型デジタル テレビよりも、これまでのテレビを使いたいという人々が多いということで、それはそれで理解もできる。高画質と書いたが、実際液晶はちっとも高画質ではない。綺麗に見えるだけだ。それもソフトウェア制御と表面加工での美しさであり、プログレッシブのハイビジョン ブラウン管であれば、今でも地デジ視聴に十分なポテンシャルを持っており、構造上残像が発生しないために、液晶テレビよりも遥かに美しく感じると思われる (思われる、と書いたのは当時の印象であって、現在確認することができないから)。
そんなことを書きつつも、今となってはただの懐古趣味だ。今は縦横でほぼ 180 度に近い視野角がスタンダードになっているし、4 倍以上のオーバードライブ処理によって残像も出にくくなっている。コントラスト比はあがり、黒がしっかり黒として表示される。機能は充実する一方だし、一番地デジでストレスを感じていたザッピングも高速なデコードが行えるようになったおかげでストレスは相当軽減している。おまけに何よりも価格が安い。正直ここまで下落するとは思わなかったが、この価格破壊のおかげで地デジ移行が進んだと言っても良いから功績はあったといえる。
しかし、良質な部品精査によって画質が向上していたアナログ ブラウン管時代と違い、デジタルの場合、回路さえ作れてしまえばそこそこの画質が得られてしまうようになった。となれば、部品代と人件費の安いアジア、特に韓国製品に打ち勝つのは至難の業だ。ハッキリ言って、今のテレビの価格帯は異常であり、とても採算が取れるとは思えない。もちろん、ある程度の利益は出るようにしなければ企業として成り立たないが、それでも相当にギリギリな薄利多売なんじゃないだろうか。そして地デジ完全移行に伴うことで、あと少しで消費活動は一段落すると思う。ひょっとしたらテレビそのものを必要とせず、見たい時は携帯のワンセグで済ませるという人も出てくるかもしれない。
となれば、メーカーとしては困った事態で、ただでさえ安いものが、ちっとも売れなくなるということになる。今後はテレビ事業を撤退するか、合併するか、3D みたいなどうでも良い機能ではない、もっと革命的な機能を装備するしかない。今のままでは間違いなく赤字部門のテレビだが、家電としてはメーカーの顔でもあろうから、さぞや悩ましいところだろう。付加機能としてはインターネットに絡めていくのが手っ取り早いところだろうが、単にネットに繋がるとかではなく、携帯、特にスマホとの連動を考えていかないと厳しいだろう。サーバーを用意してユーザー登録すれば、リアルタイム配信中の番組、または自宅での録画映像をスマホで視聴できるストリーミング テレビを充実させるなり、外出先でアプリ上から自宅の録画機器での録画予約を行えるなど。ストリーミング テレビは実用販売されているし、技術的には問題ないが、イマイチ知名度のない今がチャンスかと思われる。
といってもテレビを必要とされない時代の根本にあるのはコンテンツの問題だ。大量の芸人がアナウンサーと絡みながら際どいネタで盛り上げたり、ネットで散々出回った海外面白映像を見ながらワイプでキャーキャー言うだけのバラエティ。ニュースはともかく、ワイドショーはどれも似たり寄ったりだし、ドラマはつまらなく (これは人それぞれだろうが…)、穴埋めには何度も繰り返される大量の通販番組。ワールドカップやオリンピック特需はしばらく見込めないし、とにかく予算が削られる中、大がかりなセットは組みづらく、深夜アニメも雑な作り。
これでは、ネット見てたほうが面白いよ…となるのも無理はない。家電メーカーはスポンサーとしてだけでなく、コンテンツ配信を行い「○○先生の番組が見られるのは Panasonic ビエラ だけ!」とかにしたほうが売れていくかもしれないな。…などと思いながら、FNS 27 時間テレビをあえてアナログで見てみる。ありゃ、散々不評だった「地デジ完全移行まであと○日!」の表示はなくなったのだな。どうせなら、「あと○時間!」としたほうが面白かったのにな。とりあえず 12:00 を見届けることにしよう。ありがとう、アナログ放送!チューニングが合ったあなたは目に優しく、そして美しかった。
(追記) と、思って見ていたけれど、12:00 過ぎても映ってる…。何故?と思ったが、単にケーブル会社が DA 変換してるだけのようだった。それやっちゃうと、この先も普及の妨げになるような気もするし、○○のケーブルテレビならアナログが見れるということで加入客もいるかもしれないし…良し悪しなのかな。
7/23 (SAT)
色々と金銭的な面でピンチになってきた。景気のせいにするつもりはまったくなく、自分の浪費癖が招いた結果なので文句を言うつもりはないが、一時年収 1 千万を超えていたリーマン ショック以前に今の金銭感覚さえあれば…と後悔しきりである。
一昨日くらいに、滞納していた年金や、今年度になって最初の住民税やら国保代をどかーんと支払ってきたのだが、それでも年金はまだ滞納してるし、このあとには事業税などが待っている。全然乗っていない自動車税も入院ですっかり滞納してしまっていたので支払わねばならぬ。腕のケガで請け負っていれば 100 万超の仕事も逃してしまったし、今も仕事はかなり抑え気味だ。
だが、なのである。それはそれとしてであって、「俺、こんなにだらしなかったっけ?」と、ふと気付けば残高が悲鳴をあげるような有様だ。なんでこんな状態になるまで放置してしまったのか謎である。残高を把握してはいたのだが、何故か「危ないぞ」という気持ちにならなかった。そういう心持ちだったという他ない。
離婚に際し、それなりに金もかかりそうだし、となると、今はいくら療養のためとはいえ、もっと今までみたいに仕事しないといけないんじゃなかろうか。そしてただ仕事やるだけではなくて、納付すべきものを滞納したりするから何十万単位で金がなくなってしまうのだ。これはいくらなんでもでたらめすぎる。
もっとマジにならなきゃという危機感が湧いて出てきた今。心を入れ替えて真っ剣に仕事と金管理をやるべし。昨日に引き続き、こんな風に考えられるのも、少しは体力とモチベーションが戻ってきた証拠なのかな?
7/22 (FRI)
嫁にその後、家探しや仕事探しの進捗を尋ねると「まだです」との返事。別居したり話をしてから何か月経つと思うのか…と、呆れてしまった。仕事については「被災者優先で雇用する傾向があり、見つからない」というが、被災地はともかく、栃木茨城ならまだしも、埼玉でそんな雇用条件がまかり通っているとも思えない。確かにそうしたこともあるかもしれないが、虫のいい条件を持ち出され、体よく断りの言い訳にされているだけではなかろうか。
なにより残念だったのは、今後の生活にも関わってくる重要事項であるのに連絡を寄越さず、こちらが催促しても「今週は体調が悪いし、土日は子供の少年野球で忙しいので週明けに」などと言ってくることだ。体調が悪いなら、医者に掛かってさっさと治しなさい。そして野球も土日の夜を徹してやっているわけではあるまい。嫌なことは先延ばしにしているようにしか思えず、溜息が出るが、彼女の性格は昔からそうしたもの。Kashi. に対しても、イヤだと思うことを口に出さず、建設的な解決を嵩じることなく眼をつぶって耳を塞いできた結果、最悪の状態になってしまったではないか。呆れはしたものの、ここで強く言ってもしょうがないと感じたので「そちらが動く姿勢を見せてくれれば、こちらも最大限力を貸すし、子供のためにもお互い頑張ろう」と告げる。
メールを送ったあと、ふと思う。考えてみれば、そうした性格の人に「仕事も、家探しも」と要求しても無理なのではないか。体調不良についてもどうもストレスというか精神的なものからくるように思える。となれば、追い詰めてはいけない。恐らく彼女の中では言い訳として「仕事が見つからなきゃ引越しもできないし、引越し先が確定しなければ通勤範囲もわからず仕事も探せない」と感じて、パニックになっているのではなかろうか。
想像の域を出ないが、恐らくそう感じているところはあるように思える。Kashi. 自身がこの先やり直したい気持ちがあるなら別だが、事ここに至ってはもう本当に綺麗に精算して、これからの新しい人生へ進む準備をしたい。となれば、こちらがある程度彼女をリードしてやらなければ、いつまでもこのままだろう。少なくとも今の家から、自分の持ち物を回収し、家族の引越し先は今後の支払なども考慮しつつ、あまりに窮屈でない程度の家をいくつかピックアップしてやり、「ここはどうか?」と提示してやることで、彼女も動きやすくなるだろう。仕事まで探してやるつもりはないが、少なくともそれくらいはしてやるほうがスムーズだし、家は嫁だけでなく、子供たちの生活にも関わる部分だ。となれば、やはり限られた条件の中でも、極力快適に彼らが過ごせるところを見つけてやるのが親の仕事だと思う。
向こうの意見もあるだろうが、そう思えたので追伸としてメールを送る。相も変わらず返信は来ないが、もうそれはいい。ともかく、こうして考えることで、今後の行動の目標もできた。近日中にスケジュールを調整して、久しぶりに自宅へと赴こう。車やバイクはもう動かなくなってしまっているだろうけれど…。
7/21 (THU)
いい歳をして恥ずかしいが、どうにもコンプレックスというものが大きくてイヤになる。いつだったかの日記にも書いたが、人を羨ましいと思ったりする卑しい性根なのだが、これをなんとか克服したい。
原因は多々あれど、コンプレックスというのは自信の無さからくるもののように思える。自分を低く評価しがちだし、思うようにならないと落ち込んだりしてしまう。そのくせ余計な想像力があるものだから、「他人はこうなのだろうな」とか「あの人はこうに違いない」なんて思ってしまう。いい歳をして我ながら情けない話だと思うが、なかなか克服できず、結構真剣に悩みのタネなのである。
などということを考えていたら、ふと何かの番組でやっていたアメリカ人の国民性、といったような特集を思い出した。アメリカ人に「自分のよいところは?」と尋ねると、日本人が 5 つ程度なのに、彼らは 10 も 20 も出してくる。そして逆に「欠点は?」と聞いても、中には「私に欠点なんてないわ?」という人もいるほどに、ほとんどの人が欠点というものを感じていない、もしくは欠点はあっても長所を伸ばす方が大事だし、欠点を欠点と捉えずに個性であると考えているようなのだ。その時は「ふーん」程度に流し見していたのだが、今の自分にはこの恐ろしいまでのポジティブ シンキングが必要な気がする。
この 1 年、色々なものがうまくいかず、ずっと悩んでいた。骨折はとくに精神的なダメージが大きく、正直何もかもイヤになり、自暴自棄とまでは行かずとも、相当にネガティブな思考になっていた。
が、ありがたいもので、そんな時にも確かに自分には支えてくれる人がいた。本当に欠点欠陥だらけなら、そうした人はいなかっただろうし、今のままではそういう人からも相手にされなくなってしまうだろう。
欠点は欠点として認めつつ、あまり今まで目を向けたことのない「自分の長所」というものを考えてみようと思う。もちろん行動は必要なのだろうが、その前の活力となるべく、自己分析をしてみることが今の自分には必要だ。かつては、誉められれば言われないことまでやって伸びていくのが自分であった。自分で自分を誉めたら同じ効果はあるのかな…。若干虚しいような気がしなくもないが、ま、そんなことは気付かなかったことにしよう。あ、思い出した。小林まことの「柔道部物語」でも同じように強敵に勝つために部員全員で「俺ってストロングだぜええええ!」と叫んで自分を鼓舞していたじゃないか。
きっとすごく大事なことなんだろうな。
「俺なら出来る」
今まで耳を塞ぎ、心を閉じてしまって聞こえなかった優しい人の声も、そう思えばきっと聞こえてくる。
7/20 (WED)
来月に控えた父親の膝関節人工関節置換手術にあたり、家族への手術内容説明と同意書へのサインが必要だということで、中野駅側にある警察病院に付き添ってきたのだが、まあ綺麗な病院だこと!エントランスから内部まで、ちょっとしたホテルのようである。さすが親方日の丸といったところか。
手術そのものはポピュラーなものらしく、人工骨を埋め込む形もバリエーションがあるようで「今回は半分にします」と言う。リスクとしてフルバージョンに比べると耐久性が落ちるらしいが、それでも 15 年くらいは保つという。Kashi. の年齢だと「えー」という気持ちもあるが、そこは既に 70 越えの父親、「まあ、その前に死ぬかもしれんですしね」などと屈託がない。それよりもハーフにすることで、回復が早かったり、関節の動きがスムーズであるために正座なども可能になるという。父としては、生きているかどうかもわからないのに、たった数年の長持ちを選ぶより、日常生活での利便性を選択したようだ。もちろん、これは父親の膝の状態で可能だった選択肢であって、患部が大きければ全置換しかないということになる。そういう意味で父は幸運であった。
然る後、病院の食堂で食事。味はまあ普通というところだが、9F というロケーションで、中野の街が一望できるため気分がよろしい。施設全体の天井が高く、病院にありがちな白一色ではなく、ウッディな配色になっているため落ち着ける。ラウンジは数か所にあるし、院内に床屋やコイン ランドリーなどもある。エレベーターは良好なアルゴリズムで動作し、中には足が不自由な人が腰掛けられるバーまで備えてある。コンビニには、入院生活で必要なものすべてが揃い、雑誌や食べ物も充実といった有様で、至れり尽くせりという感じ。Kashi.が入院していた病院とは天と地だ。
だが、ここまで快適だと一定期間以上入院していると、退院したい!という意欲が失せてしまうのではないかという気もする。Kashi. の場合、毎日が退屈で退屈でしょうがなかった。病室はものすごく狭かったし、空調もハンパで、なんとしても早く出たいと思ったものだ。しかし、ある程度治らなければ退院できないわけで、そうなれば養生にも力が入るというものだ。
まあ施設よりも医者のウデだ。幸い Kashi.は、それなりに納得できる先生だったが、果たして父はどうであろう。父は下肢静脈瘤という、足の血行が悪くなる持病を抱えている。血行が悪いということは栄養が回らないということであり、今回、膝が回復せずに壊疽に近い状態になったのも、これが一因だ。担当医は「これはひとつのリスクなんですよね」と言う。なんとかそのリスクに打ち勝ち、無事に痛みのない生活を取り戻してもらいたいものだ。
7/19 (TUE)
日々のリハビリの甲斐があって、やっと指先が肩に触れた。まだ中指と薬指がわずかに…といったところだし、起床後は関節が硬くて全然なのだが、それでも嬉しい。肘関節のリハビリにおいて、肩に手が届くというのはひとつの目標であり、今後の QOL に大きく影響するだけに、かなり嬉しい。一人でリハビリをしていると、時にはなんだかとても悲しい気持ちになって「このまま動かないのかな」と不安でいっぱいになったりすることもあるのだが、これでモチベーションが復活してきた。今はまだ筋力がガタ落ちで、逆手で引き戸を開けるのもいっぱいいっぱいだったりして、女の子の腕力以下だが、今後は筋トレも進めていけるだろう。
回復を急ぎたいのは患者としては当然なのだが、Kashi. の場合はなおさらで、以前にも書いた記憶があるが、お盆には父親が右膝の人工関節置換手術を控えている。入院期間は約 2 週間。その間は自分が母親の面倒をみたり、父親の仕事の代理として得意先への納品や集金を行わねばならない。あちこちへの運転も必要であり、極力腕力を戻しておかねばどうにもならないのだ。
今の自分はとても不甲斐ない。仕事へのやる気が今ひとつだし、進めねばならない諸問題の解決も積極的に動けているとはいえない。それを怪我のせいにばかりするつもりはないが、毎日毎日腕に鉛の塊を巻き付けられているような鬱陶しさは、多少なりとも行動を阻害する。毎回、怠け虫を振り払うのはすごく大変だ。
両親のためにも、自分のためにも、早く腕を治したい。観る者に興奮と感動を与えてくれた快進撃で初優勝をつかみ取ったなでしこジャパンの澤選手は、全治 3 か月と言われた故障を、男子も根をあげると言われた激烈なリハビリで、わずか 1 か月で治したと報道されていた。こちらは、事故からほぼ 2 か月。澤選手のようにはいかないかもしれないが、自分も負けずに頑張るぞ。やればやっただけの結果は必ず出る。
7/18 (MON)
Kashi. は好きなもの、こだわるものには多弁になり、興味のないものにはまったく無関心になるようだ。ここ最近の気になるモノといえば、au の INFOBAR A01 なわけだが…。
…ということでユーザーになってしまった。この堪え性のないことといったら!でもだってしょうがないじゃん!あそこまでレビューしたら、後は買って試したくなるじゃん!ここまで言ってもわからないの?
…あなたが好きなんだよッ!…バカ。
えー、さて。もちろん、ガラケーをいきなり捨ててしまうわけではない。今回、購買の最大の動機になったのが「あ、SIM カード入れ替えれば今までの携帯も普通に使えるじゃないか」という気づきであった。これまでの日本携帯市場の慣例で、機種変したらそれで終わり、という概念に取り憑かれたままだったのだ。もちろん SIM の存在は知っていたのだが、なぜこれに気付かなかったのだろう。使ってみてどうにもダメだったら、元に戻せばいい、という選択肢は「すみません、チョコミントください」というセリフを言うには十分であった (ついでにいうと店員のお姉さんの「はい、最後の 1 台でございます」というセリフも)。
購入は au ショップで行ったため、量販店などよりは割高だったかもしれないが、さほどの差もなかろう。それよりも、SIM の入れ替え使用やプランの変更検討、ポイント残高、家族割の適用範囲など、聞きたいことが多々あったので、それは良しという感じ。旧機種からのデータ移行はアドレス帳とブックマークのみという形だったが、写真などの保存データは SD カードで移動すれば良いだけのようだ。ただ、ダウンロードした LISMO の曲が使えないのはやはり残念。PC に LISMO クライアントをインストールすれば、着うたフルであれば移せる可能性もあるようだが、それはちょっと手間がかかりすぎる。結構たくさんダウンロードしていたので、移せるものなら移したいけれど、それはいずれということにしよう。
カスタマイズなどは夢中になりすぎる可能性があるので後回し。まずは基本的な機能と操作を把握しなければいけない。
実際の使用感だが、通話については持った感じがちょっと心許ないが、音質は普通だし、すぐに慣れるだろう。肩に挟んでの会話も出来た。が、通話終了後にもダイヤル画面が残りっぱなしになっているのは非常に気持ちが悪かった。通話もアプリとしての管理なのだろうが、通話終了と共にホームに戻っても良いのじゃないだろうか。
メールはやはり打ちづらい。タッチパネル入力そのものは特に問題無く、フリック入力は便利だし、文字の変換アルゴリズムもなかなか賢く、使い勝手も悪くない。ただ、入力エリアが狭すぎる。やはりデコメ関連は別インターフェイスにして欲しかったと思うが、このあたりはそのうち目に入らなくなってくるかもしれない。
ひとつ、強烈に残念なのはフォルダ分けの概念だ。まだ取説をきちんと読み込めていないので、ひょっとしたら出来るのかもしれないが、特定の人やグループからの送受信は特定フォルダに保存したい。メール画面に入るや否や、受信メールが一覧で一気に表示されるのは少し抵抗がある。このあたりは純正ではなく、アプリなどで解決できるのかもしれない。
その他の機能は追々といったところ。細かいところでは、ホーム ボタン押下でスリープからの復帰が行えないのが非常に不便だ。iPad (iPhone) では、電源ボタンの他に、ホーム ボタンでロック画面に移行できる。電源ボタンは小さく、押しづらいのだ。これはソフトウェア アップデートでなんとか改善して欲しい。
あと、ボリューム ボタンの長押しでマナー モードの切り替えが出来るとあったのだが、出来ない。単に音量が小さくなるばかりだ。代わりに電源ボタンを長押しすると、携帯電話オプションの画面になって切り替えが行える。これは結構間違いが多くて、ついスリープに移ったりしてしまうことがある。それよりも、画面最上部のアイコン エリアをタップして、インフォメーション画面から切り替えたほうがいいかもしれない。
このようにひとつの動作に対して、いくつものアクセス方法があるのは混乱の元だから止めてもらいたいと思う。そもそもマナー ボタンくらい付けても良さそうなものだ。
最後に一番「えーー?」と思ったのが、プリセット着信音のダサさ。ものすごくひどい。いつの時代の携帯電話だよと思うくらいプア。まだ音源がひとつもない状態では、プリセットから選択せざるを得ないが我慢しかねる状況なので、出来るだけ早く着メロなりをダウンロードしてこよう。
バッテリの減りは、想像していた通り強烈だ。フル充電してから、特にどうということもしていないのに数時間で 15% 減っている。これ、1 日保つことはないんじゃないだろうか。ただバッテリの性質上、empty 状態から 100% 充電を何回か繰り返せば、多少は改善されると思うので、もう少し様子をみたいところ。
旧 WIN 機は、フル充電してから電波オフ モードにして目覚ましと予備機として使うことにしよう。電波オフ モードにすれば、2,3 週間はほったらかしても大丈夫だ。防水であることも心強いし、買ってからまだ 1 年半ちょっとしか経っていない機体だが、その間の色々な出来事が思い出として染みこんでいる機体だ。本来ならリサイクルに回すべきなんだろうが、少なくとも今は捨てたり放置したりする気になれない。
…とまあ、購入初日のインプレッション。いずれ、あれこれと紹介していくでしょう。
期待せずにご期待ください。これから購入される人の参考情報にでもなれば幸いという感じでございます。
# 全然関係ないが、「コクリコ坂から」の特別協賛に KDDI が参加しているために、宣伝 CM で INFOBAR A01 が一瞬映るのだな。「ママからパパへ」の CM もバンバン流れているし、なにげに洗脳されていたのかもしれない。CM とは恐ろしいなあ。
7/16 (SAT)
近頃は出来るだけ早起きし、朝食を摂って午前中に仕事をする。然る後 12:00 から 14:00 くらいの間、ベランダでリハビリをするのだが、当然この日差しであるから汗だくになる。リハビリが終わったら、びしょびしょの体でそのまま風呂に飛び込み、水浴びをするのだが、これがまあ気持ち良いこと。そのまま炭酸水やらを飲み、ハッカ水を体にスプレーしたら、遅めの軽い昼食。そのままベッドにゴロリといった感じで、すっかりロクデナシだ。酒が入らないだけマシといったところだが、昨日は昼食の冷やし中華を作っている途中、湧かした湯の熱気があまりに暑かったので、ハイボールに生レモンを搾りながらのキッチン ドランク。やっぱりロクデナシであろう。仕事をしないフリーランスの面目躍如だ。
こうした状態を良しと思っているわけではないが、フリーランスになってからというものの、どうにも夏はモチベーションがあがらない。時期的に仕事が少ないということもあるのだが、暑いのがキライなのである。さらに一人で仕事をしていると、監視の目がないものだから、ついダラダラ。いかんなあと思いながら、部屋の掃除なんぞをしてしまうのであった。
故人になるが、主に小学館の青年誌で活躍していた漫画家、青柳裕介氏は夏は仕事をしない主義であったそうな。遺作となった「まぐろ土佐船」に代表されるように海を愛した作家で、夏は十分に遊び休んで充電していたのであろう。そうして充電が終わったら、またバリバリ働く。欧米のビジネスマンなんかも夏にはロング バケーションを取るというから、夏に長期休暇を取るというのは理に適ったやり方なのかもしれない。
世間的には三連休で、遠出する人たちも多いようだ。自堕落な日々を送っている人間が言うのもおこがましいが羨ましい限りである。平日はしっかり仕事をし、お休みを十分満喫する。こうしたスイッチの切り替えが Kashi. はとても下手であり、今後はきちんと改めていかねばなるまい。オンオフの切り替え不足が家庭不和の一因にもなっていたようだし、反省は多い。今は腕の治療もあるから、今年の夏はせいぜい療養に努め、来年の夏こそは貴重な休みをしっかりと満喫できるような生活でいれるようにしよう。願わくば、その頃には新しいパートナーがいると、とても嬉しいのだけれど。
7/15 (FRI)
右上腕骨遠位端開放骨折という重傷を負った今回の事故だが、入院から退院までかかった費用はザックリと 30 万弱といったところ。余裕で一月暮らせるくらいの金額を一度に支払わねばならず、さすがに気が重たかった。日頃はこうした不測の事態にも備えて、最低 50 万くらいの貯金はしておいたほうが良いということであろう。
さて、入院すると即日 5 万円の保証金を収めるように言われた。Kashi. は支払えたが、世の中には生活が困窮しているような人もいるだろうし、そうした人々が突然の事故で運ばれてきて「支払えません」となったら病院はどう対応するのだろうか。まさか「じゃあ出てってください」ということにもならないだろうが不思議だ。
病院の費用は 10 日ごとに精算され、請求書が回ってくる。このあたりのシステムは病院によって異なるだろうが、病院なんてのはどこも似たようなシステムなのじゃなかろうかと思うのでご参考までに。内訳には手術代だの検査費用だの備品代だのととにかく細々と書かれているが、所々は保険点数になっているためよくわからない。明確だったのは食事代で 1 日あたり約 2,000 円近く。内容と味を考えるとまったく納得のいかない値段だが、栄養バランスは間違いないだろうから、ダイエット代だと思えば安いのかもしれない。
さて、医療費の支払には支払限度額というものがあり、ある一定以上の料金になった場合に窓口での支払金額を制限する仕組みがある。Kashi. は自営業なので国民健康保険を使うことになるが、おそらくは社会保険でも組合に申請することで同様の仕組みとなっていると思われる。このシステムは、入院が確定するなど高額医療が発生するであろうことが確定した瞬間から、国 (市町村) または組合に「高額医療を受けることになるので限度額申請したい」と申し出ておくと、一定以上の金額を支払わなくても良いというものだ。
例えば今回の Kashi. のように、30 万円かかります、ということであれば、Kashi. の場合、保険料の上級納付者ということで約 15 万円が限度額となり、残りの 15 万円は国が支払ってくれることになる。なるほど、こんな仕組みがあれば、そりゃ医療費は常に財源不足になるわなと思いつつ、個人としては大変ありがたい。
だが、このシステムはあくまで事前に申請しておくことが大切で、支払限度証明書がないと病院では受け付けてくれない上に、月末で締めてしまうから、例えば 30 日に入院、31 日に手術…となると、当然申請など間に合うはずもない。病院側もわざわざ告知はしてこないので、この場合は請求された全額を支払うことになってしまう。
じゃあ取られっぱなしじゃないか!というとそんなことにはならず、申請が間に合わなかった場合、とりあえず患者側が全額負担して支払わねばならないが、二月くらい後にちゃんと保険組合から「あなた高額医療を受けましたから、お金返しますので申請してください」と連絡が来る。これは自動的に送られてくるものであるから、それまでに何か手続きをしておかなければいけないというものではないようだ。要は十分に支払能力に余裕がある場合は、自前で全部支払ってしまい、あとからの還付を待っても良いのである。
もうひとつ、Kashi. は生命保険に加入しているが、事故ケガでの入院の際には入院 5 日目から以後退院までの日数に対して、1 日 5,000 円程度の保険金が支払われる。Kashi.は 25 日の入院だったので 20 x 5,000 で 10 万円。先ほどの還付金が約 15 万円だから、この時点で 25 万円だ。さらに Kashi. は自転車購入時にも保険加入しており、入院 15 日以上の傷害を負った場合、一律 10 万円が支払われるとのこと。これで 35 万円。おっと、医療費の総額を超えてしまったではないか。やったあ。
自転車購入時の保険は微々たる金額であったと思う。入っていて本当に良かったと思えるのが保険だ。補償や扶助のシステムを理解しておけば、今回のように逆に黒字になってしまうこともある。起きるかどうかもわからない時のための備えに、高いお金を払うのは抵抗があるかもしれないが、起ってしまった時の補償となるのが保険である。ぜひ加入をお勧めしたい。
ちなみに国民年金も同様だ。どうせ支払われるかどうかなんてわからんものより、自分で貯蓄したほうがいい、と支払わない人が多数いるようだし、その気持ちは非常によくわかる。サラリーマンはあまり意識していないかもしれないが、自営業では結構年金というのが目の上のたんこぶなのだ。だが、年金は老後の備えだけではない。何かの事故で障がい者となった場合には即座に障がい年金として活用できる。障がいの度合いによっては、老後の備えを稼ぐどころではなくなってしまうだろう。その時年金加入していなければもうアウトだ。生命保険の重度後遺障害の手当てだけで一生食べていけるものではない。
Kashi. は去年はかなり稼ぎがキツかったのが、前年度が良かったものだから国民健康保険料が恐ろしく高かった。第 8 期までで 1 期ごとに 73,800 円。年間で 60 万近くの保険料を払ったことになる。さらに税金も高かったりして、年金はついつい滞納してしまった。だが、幸い年金は遅延しても一定期限内であれば後から納付することもできる。まだ間に合うので、できるだけ早く納付してしまうつもりだ。女房の分も支払ってやらねばならないので、大変だが、これは扶養義務のある人間としてはしょうがない (厳密に言えばサラリーマンでない限り、年金は個人個人で支払うものだが、立場上…ということである)。
備えあれば憂い無しの格言通り、事故や病気、ケガは不意をついてやってくる。若いうちであれば生命保険料も安い場合が多い。ぜひぜひ皆さんも備えを。
#考えてみたら「年間で 60 万も医療費かかるかよ、これなら病気になった時実費で払った方がマシなんじゃないの?」と思っていたら、とんでもなかった。もし健康保険に入ってなかったとしたら、請求額は 80 万近かったのだから。マイナス 80 万と、プラス 5 万。どちらが得だったかは、言うまでもない。払うべきものは払っておくものだ。といっても、やっぱり高いけれど!社会保険なら 25,000 円程度で済むものを、自営で「一定以上の」稼ぎがあるからというだけで、高額保険料を払うのは納得がいかない。10,000,000 円稼いでる人間と 100,000,000 円稼いでる人間で保険料が同じってのは、やはり公平さに欠けるんじゃないだろうか。あと単純に医療費が高すぎるんだとも思う。人の命を預かる大変な仕事だが、それだけに悪徳医療などの調査を厳格に行ってもらい、極力無駄を無くしてもらいたいものだ。
7/14 (THU)
以前の日記でも書いているが、最近はリハビリの一環として日光浴をやっている。紫外線により、コレステロールがビタミン D へと変化し、そのビタミン D がカルシウムの吸収を助けるといった理由からである。これまでは室内でリハビった後、散歩などをしていたのだが、同時にやれば効率的であることに今更気付き、ここ数日はベランダで汗をかいている。そのおかげか、そんなに期間は長くないのに「灼けましたね!」と言われるほどになってしまった。夏の日差し恐るべき。
日中思い切り汗をかくせいもあって、寝付きはよく、食欲も落ちない。が、消費カロリーが摂取カロリーを上回るらしく、最近はなんだか痩せてきた。今日は打ち合わせでお客さんのところに行ってきたのだが、日に焼けてしまって見えるということもあり、合う人合う人に言葉は違えど「痩せた?」と言われ、ほんのちょっとドヤな感じなのである。
夕食は久々の外食。福島の酒を立て続け。今を有り難く思いつつ、一人色々とあくまでも静かに惑う。穏やかとはいえないまでも、心が粟立つようなことにならなかったことは諦めや放心なのではなく、成長であると受け止めたい。「頑張るよ」と自分に言い聞かせながら帰路につくも、呑み足らず、なじみの店で一人酒。花木はバブルの象徴、このご時世にあってはまさに泡沫で、街に人影は少ない。おかげで静かに呑めたのでよしとしよう。
地元でタクシーを降りて数歩、歩くと財布を拾う。街灯もないところなのに、我ながらよく目が効いたものだ。中を見ると現金は数千円だったが、カード類が数枚。財布というのは落とすと現金そのものよりも、不安感が先立つというものだし、落とし主もさぞ困っていることであろう。さすがに今夜はもう無理だが、明日散歩を兼ねて交番まで届けることにしよう。功徳のひとつにでもなるかな?
7/13 (WED)
いつの頃からそうだったのかはわからないけれど、昔から目が覚めてもかなりの確率で夢を覚えている。ほとんどの場合の夢はフルカラーで、音声も鮮明だ。しかし、この能力は時として目覚めを非常に悪いモノにしてくれる。空をびゅんびゅん飛ぶような夢の時は良いのだけれど、悲しい夢や怖い夢の時はなんともいえない目覚めになってしまう。
ドラえもんの道具で好きな夢を見られるというものがあった記憶があるが、これを実際に自力で達成すると「明晰夢」というものになるらしい。これは夢なんだと夢を見ながら認識でき、かつ目覚めずに自
在に夢の内容をコントロールできるらしい。夢というのは夢の中ではものすごくリアルであるから、それはそれは楽しかろう。明晰夢は特殊な能力ではなく、トレーニングで見やすくできるものらしい。夢日記をつけるとか色々あるようだが、見た夢を覚えている自分なんかは比較的達成しやすいのではないか?などと思う。
しかし、ただでさえ妄想癖があったりする自分のことだから、こんなスキルを手に入れたら一生現実逃避をして過ごすハメになるんじゃないかという気もする。さすがにそれはちょっとどうなんだろうかという気がしてならない。せいぜい「あ、これは悲しい夢だから見るのをやめよう」とチャンネルを変えるような感覚で夢をスイッチングできるくらいがいいのだけれど。
夢を見るのはキライじゃない。けれど、いつまでも夢だけを見ているわけにもいかない。目を覚まして、夢を現実に。
7/11 (MON)
今日で震災から 4 か月。震災の日、Kashi. は幸いにして被災することはなかった。しかし東京の立川断層をはじめ、三浦半島の活断層群など、いつ都心部で大地震が来てもおかしくない。いざその時がきたとき、Kashi. はどうなるのだろうか。もちろん生きてはいたいけれど、そこは神のみぞ知るところだろう。
人は二度死ぬらしい。一つは文字通り安息の日を迎えた時。もうひとつは忘れられた時であるという。死そのものを怖いとはまったく思わないのだけれど、忘れられていくことはとても怖い。だから自分は夭折した知人を忘れない。かつて共に過ごした日々に思いを馳せながら、命日には花と酒を手向けるようにしている。
自分の命が尽きたその時には、葬式などいらない。だが、何かの時にほんの少し思い出してもらえればとても幸せだ。そのために、自分は何を遺せるのだろうか。新聞の紙面には、被災者の合同葬儀で「パパ」と遺影を抱きしめながら、ギュッと目を閉じる 3 歳の男の子。今日はただ、自問自答の日。被災者の皆様のご冥福を、改めて祈りながら。
7/8 (FRI)
とある知人が「他人と自分を比べてストレスを溜める人がいるが、比べなければいいのに」と言っていた。しかし古来より隣の芝は青かったり、花は赤かったりするものであり、Kashi. もそちらがわであったりする。冒頭のようなことを言えるのは、自身が現在思いっきり満たされているからであって、満たされていない人からみれば「なに、そのマリーアントワネット」と思えるのだが、同時に「そういう風にありたいな」とも思ったりもする。
仏教でいうところの煩悩は 108。その根源は「貪欲」「瞋恚」「愚痴」の 3 つであるという。貪欲 (どんよくとも読むが正しくは "とん" よく) は、そのまま「なんでもかんでも求める心」、瞋恚は "瞋恚 (しんい) の炎" という言葉どおり、「怒りの感情」、愚痴は現代の用法とは意味が異なり「世の道理がわかっていない」事を指し、仏教の中では一番ロクデモナイこととされている。
これらはあわせて「三毒」と呼ばれるが、悟りとはこれらを乗り越えること。とてもではないが凡俗の極みのような Kashi. には不可能に思える。あのお釈迦様ですら出家から悟りまで 6 年かかっているのである。そのお釈迦様が「無理。人は煩悩から抜け出すとかできないし」と言っているのだ。
だが、これこそが悟りである。人生には艱難も辛苦もつきまとうものであるし、だからこそ少しでも幸せに近づけるよう努めるべきなのだろう。だからといって、無理に感情を押し込めるのは良くない。Kashi. はここで散々あーだこーだと「愚痴」を零しているが、これもひとつのガス抜きである。こうしてテキストにすると、自分が今抱えている問題点のようなものはよく見えてくるし、少し気が晴れる。
今は、気付いたことメモるようにしている。これまでは思っていながらにして失念してしまったり、行動に移せないままだったりしたのだが、タスク リストを作ると、性格なのか結構コンプリート出来ていない事項が気になるようになってきた。目標をビジュアライズして潰していくというのは、個人的には良い傾向であると思っており、これからも続けてみたい。実行が難しい事項も多いのだが、ともかくやるだけやれば、ダメだったとしても納得はできるのじゃなかろうか。
凡俗は凡俗なりに、欲張りすぎず、欲をかきながら生きていけば良い。そうすれば他人と自分を比べることがあっても、なんとかなる。そんな気がするのである。
7/7 (THU)
七夕である。願いは多すぎるので吊るさずにおこう。願うばかりでなく、かなうためには行動しなければなるまいて。
さて、日々のリハビリの成果もあって、腕はだいぶ機能回復してきた。まだ筋力もなく、関節もダメージがあるため、腕を持ち上げたりと重力がかかる動作はほとんど出来ないが、曲げ伸ばしだけであれば、かなり角度が付いてきた。これまではまったく出来なかった、両手で顔を洗うということができるようになったのは嬉しい。といっても、風呂に入って十分関節と筋肉を柔らかくしてからの話だが…。それでも前に進んでいる感じがあるのだから良しとしよう。
入院中の頃は、とてもそこまで動かないから色々と不便があった。まず食事。当然のことながら左手でしか食べられないが、スプーンで食べるのは負けのようでイヤだった。意地でも箸を使うぞと意気込んだら人間というのはすごいもので、たちまち習得してしまった。今は右手でも食べられなくはないが、腕が曲がらないため、大変不格好だし、疲れるので左右両方で持ち替えたりしながら食べている。
次に、入浴。左手と背中が満足に洗えないのだ。だが、これはまだ我慢できる。お湯はかけられるし、なんとなーくゆるゆるであれば石けんをつけることくらいはなんとかなったからだ。問題は入浴後で、体が満足に拭けない。特に背中は絶望的で、昔の江戸っ子がやっていたようにタオルをピシャリと叩きつけるようにして拭くしかない。そんな状態で服をきなければならないから、入浴後汗が引くまではバスタオルをベッドに敷いて寝転がっていた。が、もともと Kashi.は背中を拭くのがとても下手で、いつも濡らしたままにしていたから実はあまり関係なかったのかも…。
最後はご想像にお任せするが、アレというかナニというか。ともかく、これは大変深刻であった。環境や状況などなど、もう絶望的だ。腕の機能的にも上下にスイングするなどという動きが出来ようはずもない。もっとも、入院中は最初の 2 週間くらいはまったく問題無かった。そういった気持ちそのものがさして湧いてこないのである。体が休息モードになっていたのかもしれない。が、それを過ぎた頃から病院生活の退屈さが顕著になってくる。そうなると、娯楽のない世界、iPad でそういったサイトなど見始めるのだが、これがいけなかった。ただちにムラムラしてくる。しかし動かない。まさかナース コールするわけにもいかないので、ええいやめだ!とページを閉じるのだが、数時間もするとまた同じようなことをやっている。
退院の数日前になるといよいよ我慢できずに「なんとかなるんじゃないのか?」と右手を添えてみるも、やはり満足度は低い。そこで左手のみでなんとかするにあたって、場所と時間帯はどうするだの、最終的な後始末はどうするだのと、綿密なシミュレーションを行った結果、見事に達成できた。我ながらアホだなと思う。
しかし、一度こういうことをやってしまうと、途端に俗世間に戻りたくなる。退院したら楽しいお店でも行くか!(実際は行ってません) とそういうサイトを見たりするようになってしまった。悟りを開いたはずの僧侶が、肉を食べ酒を呑んだ途端に、生臭坊主に堕ちるのと同じ現象であろう。今では入院前と変わらぬペースで処理できており、サウスポーにも慣れてしまった。問題はパートナーとの実戦だが、これは当面まったく予定がない。そもそもパートナーがいない。しばらくは二次元の彼女で妄想に浸ることになりそうなのだった。しかしなんというくだらない日記であろう。とほほ。
# 我ながら表現に品がないと思った箇所があったので一部改稿しました。
7/6 (WED)
夕方のニュースを見ていたら、「ネットのチャットで知り合った女が、父親がガンだの、死んだだので金がかかるので金を貸してほしいと言われ、最後には携帯代までせびられ、最終的に 200 万以上貸したけれど返ってこない。最後は逆ギレされたので調査してほしい」というとある男性からの依頼で取材した…という内容を放送していた。そりゃあ騙すほうが悪いが、こんな典型的な詐欺に騙される方もハッキリ言ってどうかと思う。ネットで出会い、直接対面したこともない女に金を貸すという行為が信じがたい。
しかし、このニュースはオチがあり、相手の "女" はネカマであった。声はボイス チェンジャー?それとも裏声?地声?と若干疑問は残るが、映像を見る限りではそのまま話していた。最終的に宅配を使ってせびった現金の取引に現われたところを、追跡されて終わり。何度も振り込んだり、現金送金してくる相手に味をしめたのだろうし、心理的に銀行振り込みを何度も使うより、手口にバリエーションを持たせたくて宅配を利用したのだろうが、こうなれば末期だ。犯人は無職 35 歳。取り繕いの言い訳ばかり。最終的には警察に出頭し逮捕されていたが、この類のニュースにして珍しくノー モザイクで全部晒されている。
インターネットが普及するようになってからはチャットというものをほとんどやったことがない。パソ通時代は毎晩のように大勢で会話を楽しんでいたものだが、インターネット黎明期というのは通信速度も処理速度も遅く、リアルタイム性に欠けていたのと、怪しげなアダルト チャットばかりになってしまったのでやらなくなってしまったのだった。
それでも何度か興味があってやったことがあるが、大抵はエロ目的の男共がうようよしていて、女性のほうも警戒しており、女同士でチャットしたいのに男が入ってくるのを防ぐために、部屋に入ると「口紅の上に塗るものはなに?」などと、女性なら即座に答えられるような質問をしてくるのが常であった。
そんな中、まんまと女性になりすまして会話をしたことがあるが、その女性はレズビアンであり、色々と興味深い会話をした記憶がある。相手はこちらが最後まで男だということに気付かず、赤裸々な話を続け、「実際に会わない?あたし、あなたのこと調教してあげる」などと言われたのであった。
報道で流れる映像を見ると、今も昔もシステムはまったく変わっていないようであった。テクノロジは急激に進化していると思われるのに、サービスそのものや人間の心理というのはそうそう変わらないのだなと感じる。騙されないようにするためには経験を積むこと、知識を得ることである程度回避できる。危ないな、と思える嗅覚を鍛えたいものだ。
7/5 (TUE)
散々ガラケーで良いとかなんとか言っておきながら、気になってどうにもならず、ビッグカメラにて INFOBAR A01 の実機を触ってきた。極めて適当だが、簡単にレビューを。
触感の第一印象として感じたのは「軽い!」であった。113g であるという。iPhone 4 が 137g であるからこの差は大きい。24g の差、100 円玉にしてぴったり 5 枚分だ。Kashi. は購入したとしても利用するつもりはないが、カバーをつける向きには有り難い重さではないかと思う。ただ、重さを犠牲にしてもよいからバッテリ容量は大きいものにしたほうが良かったのではないかなとも。1,020mAh とのことだが、iPhone と違ってバッテリを自分で交換できるのだから、容量の大きなバッテリパックと裏蓋のセットとか売り出したら、売れそうな気がする。もちろん、背面がフラットではなくなってしまうだろうが…。
カラーリングについて。4 色のカラバリのうち、KURO と HACCA はマット仕上げ。梨地とまではいかないが、操作していてすべることがないから、片手操作をしたい人や指紋などを気にする人は KURO か HACCA、気にしない人は NISHIKIGOI か CHOCOMINT も選択肢になる。個人的には大好きな 31 アイスクリームの一番好きな味である CHOCOMINT が相当気になっているが、使い勝手を考えたら HACCA か…。もし KURO が黒でなく、MONO として、ボタンがグレートーンだったりしたらそちらを選んでいたかも。
肝心の UI と操作感について。
CPU に最新 snap dragon を採用していることもあり、これまでの Android の中では一番気持ち良く操作できた。ただ、iPhone と比べればやはりあの指に吸い付いてくるというか、絶妙な操作感はない。よく iPhone がぬるぬると評されるが、INFOBAR のそれはビラビラ、といった感じだろうか…。
もっとも、初めてスマホを使う人にはまったく問題ないだろうし、違和感を感じる人でもすぐに慣れるのではないか、というレベル感ではあった。これまでの Android と違い、デスクトップの切り替えに縦スクロールを採用しているということもあるだろう。グラフィックの描写というのは左上から右下に向かうものだから、横にスクロールするよりは縦に動かした方が処理を稼げるということもあるのだろう。そうしたところを加味しても、INFOBAR A01 の UI はうまく処理しているように感じられる。
また、本 UI 独特のパズル レイアウトの操作感だが、これは十分満足できるものだった。というか、普通に楽しい。正直ハマりはじめたらキリがないような気もするが、この UI はやはりエポック メイキングであると思える。ただ、ちょっとした疑問なのだが、各種アプリをダウンロードしてきた時、全部このパネル デザインに収まってくれるのだろうか?もっとも、当てはまらないアプリはノーマルの Android レイアウト画面というものがあって、こちらに置けるようだからいいのかもしれないが…。もしパネル デザインのアプリは au 純正オンリーのアプリのみ…ということなら、それはちょっと残念かも。
通話品質は時報しか試していないのでなんともいえないが、極普通の品質は保っているように感じた。またブラウザの速度だが、3G 回線ながら、WIN HIGH SPEED の効果もあるせいか、そこそこ満足できるものだった。GPS によるマップ表示もイライラするようなこともなく、これならまあ十分といったところだろうか。モバイル ルータを使えばもっと快適であろう。
文字入力について。
これは…なんというか。Kashi.がスマホでの入力に慣れていないせいもあるが、微妙に使いづらい感じ。和文と英文の混在テキストを入力する時には切り替えがちょっと面倒なようにも思えるし、キーボードも微妙に小さい…。それにメールの本文入力時には、速デコ、装飾、添付といったボタンが画面中央にきて非常に邪魔だった。こういうのはタイトル バーあたりをスライドしたら出てくるとか、他にも配置のしようがあったと思う。
12 キー モードのフリックはなんとなく iPhone よりも見やすかった気がするが、矢印キーが画面の両端に配置されてしまい、テキスト入力中、頻繁に修正を行う人は指が忙しくなるかもしれない。
このあたりの良し悪しはホントに人それぞれといったところだろうから、実際に実機を触ってみることをお勧めしたい。いずれにしても、処理がもたつくようなことはなかったので、そういうストレスは少ないと思う。
カメラ性能はなかなかではなかろうか。静止画、動画ともに満足できる感じ。PC に移してみたらまた違うのかもしれないが、A01 本体で見る分にはまったく気にならない。もっとも Kashi.は PC に保存するタイプなので、まだわからないが…。まあ今使っているソニエリ端末のものよりは遥かに綺麗であろう。そのあたりはシャープのお家芸だし、期待しても良いと思える。
最後に、イヤホン端子がないなと思っていたら、ガラケーのように底部にあるフタを開けて変換プラグを使って利用するらしい。これはスマートじゃないなあ。本体に余計な穴を見せたくないということであれば、防水対応にしてもらいたかった。ブルートゥース イヤホンを使えばいいのかもしれないが、それでは消費電力が持ちそうにない。痛し痒しといったところだろうか。上で書いた大容量バッテリが実現したら、そこにイヤホン端子も付くようにすれば…なんて考えてしまう。
…という感じの、ザックリ レビューでした。まあ、あーだこーだと書いてみたが、はじめて「買ってもいいかな」と思えるスマホだった。
って、しまった。肝心の値段を調べてくるのを忘れてしまった。一括で買えば 6 万円くらいだと思うが、これを高いと見るかどうか。個人的には 2 年間縛りで同じスマホを使い続ける自信がないし、携帯の機種変はいつも一括支払で済ませてしまうから、それならそれでいいのだが、秋には iPhone5/iPad3 が出るとか、年内には Android 4.0 搭載スマホが出てくるという噂もある。このスピード感でどこまで購買欲や物欲を抑えられるか…。敢えてレガシーなデバイスを使い続けるという手もあるにはあるのだが。待てよ、2 台持ち…いや!それはない。しかし INFOBAR は魅力的だ…。うーむ、悩ましい。とりあえず、もう一度触ってみますかね。
なんだか取り留めのない感じになってしまい、どうも。
7/4 (MON)
退院後二度目の通院診察。レントゲンの技師が新人のせいか、撮影ポジションをうまくセッティングできず、怪我部分を無造作に触ってくる。どうしてレントゲン屋ってのはこう無神経なんだ。途中でさすがに「痛いんですけど?」と言うと、先輩技師が何やら業界用語で指示を出していた。ま、どんな業界にも新人というのはいるし、経験を積んでいかねばベテランにはなれないというものだろう。が、医療従事においては、二度ほど失敗したら交代してくれんかなと思う次第だ。
さて骨折修復の進捗であるが、レントゲンにはうっすらと影が写っていた。ドクターは「あ、骨 (仮骨) が少し出来てきましたね」という。治癒過程としては第 3 期。年齢と損傷度からすると、随分造骨細胞が頑張ってくれているようだ。精神的には打たれ弱いくせに、どうしてこう体は健康なのやら…。とはいえ、中央部の一番深い傷はまだ真っ黒のままだし、最終段階である第 5 期 (12 か月経過) まではまだまだ。とりあえず仮骨が硬くなる第 4 期を目指して頑張ろう。ちなみに、日課としては牛乳と鉄骨飲料を飲み、ビタミン C を摂ってお日様に当たってビタミン D を生成し、適度な運動と風呂リハビリ。ついでに骨折に効くというパワーストーンまでお守りでつけている。なんというか必死すぎる感じもあるが、とにかく早く治って欲しいのだ。やることはたくさんある。
7/3 (SUN)
先日の日記で書いた au の INFOBAR A01 が発売になったということで、いそいそと au ショップに行くと、実機は置いてないという。ええい、主を呼べ!売れると分かっているから実機を置かないのかもしれない。確かに全色売り切れ御免の札が付いてはいたが、世の中の人は実機のフィーリングも確かめずにあんな高価なシロモノをズバスバ買っていくのだろうか。だとしたら、理解しがたい行動原理だ。
ふん、なんだい、あんなすっぱそうなブドウ!ということで、入院中の母親の無聊を慰めるために落語の DVD を買いに新宿のタワレコへ。さすがにモノが豊富で助かる。母親は「芝浜」が聞きたいという。名作であり、まずタイトルは揃っているだろうと物色すると、果たしてその通りであった。落語というのは演者によって、同じ噺でもえらく雰囲気が違うものであるからして、どうせなら聞き比べて貰おうと、林家たい平と四代目三遊亭金馬のものを購入。ついでに柳家権太楼の「子別れ (通し)」も入手する。
病室で母と共に鑑賞したが、やはり貫禄だろうか。金馬の芝浜のほうがなんとも言えない味わいがあった。たい平版は現代風の小ネタなども混じって時折クスリとはするが、主人公の魚勝の描写が少々荒っぽく、ちょっと聞きづらかった。ただ、新しい解釈なども織り交ぜており、そういう意味では面白かった。これから先年季が入ってきたらまた違うのかもしれない。
金馬は Kashi.の好きな落語家だ。四代目も悪くないが、三代目はもっと好きである。ラジオでならしたせいか、演者の仕草を見ながらでないと面白さが半減するということもなく、むしろ音源だけでも聞きやすい。キャラクタの演じ分けも素晴らしいと思う。「居酒屋」や「目黒のさんま」など CD でも面白さがいっぱいだ。
芝浜のあとは子別れ・下の「子は鎹」を鑑賞する。現在の Kashi. としては、親と一緒に見ても良いもんだろうかとちょっと躊躇うものではあったが、Kashi. はこの噺がとても好きだ。不器用な夫婦の愛と、子供への愛情、そして子供の親への愛が溢れている。得てして落語に登場する子供というのはこまっしゃくれていて、実在していたら「鬱陶しいな、このガキ」と思うような性格の子も多いが、子別れに出てくる「亀」と呼ばれる子はなんだかとても愛らしい。
権太楼のそれには「あたい、学校で習ったんだ。子供の一番の幸せは両親が揃っていることなんだって。だから、あたい、いい子にするからさ。またみんなで暮らそうよ、ね、おとっつぁん」というセリフがあった。これは独自の演出だと思うが、ギュッとくるセリフであった。
母親はもうほとんどまともに口を利けなくなってきた。最近になって心拍計を付けられたり、点滴が一種類増えたりしている。食事もほとんど食べられなくなってしまった。それでもまだ頑張っている。手はこの季節だというのに冷たい。だが、握ってやるとしっかりと握り返し、こちらを見つめてくる。父も母もだいぶんに衰えた。だが、両親共に揃っていてくれている。Kashi. は幸せ者なのだろう。だが、親不孝であり、子不孝だ。不徳を恥じるばかりである。いやが上にも、この先、そして自分の価値を考えさせられる一日であった。
7/1 (FRI)
2011 年も折り返し。後半はどんな事が待ち構えているのやら。アレコレありすぎたここ 1 年なので、別に多少のことでは驚かんぞ…といった心持ちだ。
とにかくやることはたくさんあるので、ToDo をまとめてみる。…が、表にしてみると多すぎだ。どこからどう手をつけたものやら…と我ながら呆れる。どれもこれもやらねばならぬことばかりなので、いたしかたもない。次はプライオリティ付けか…。これはなんとか来週中に終わらせて、再来週からひとつひとつ潰していくしかあるまい…。
それにしても、腕の怪我さえなければ、あらゆることが相当に捗るのだが、どうにかスキップできないもんだろうかと無理なことを考える。8 月の半ばには父親が手術で最低半月は入院してしまうため、その間だけは名代を務めねばならぬ。そしてその頃までには、所帯を解体し、荷物を回収したい。となれば、要腕力なのだ。
日々リハビリに努めているおかげで、少しずつ少しずつ力が戻ってはいる。だが、100 の道程を 1 日 1 ずつあげているようなもので、今はまだ 30 くらいの実感しかない。焦ってもしょうがないとはわかっているが、やはり焦ってしまう。しょうがないのでカルシウム多めの牛乳と鉄骨飲料を飲み、毎日歩いてお日様にあたっている。なんとかなってくれ、腕よ。
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